ヤルキガデナイ −お人形−

ひどいやる気が出ません。

明日テスト始まるのに無勉とかマジやばい。

やばいとか思ってるけどどうでもいいやーって思ってる自分がいてホントなんだこれ

初めての経験。

初体験しました。

あーどうしよマジで。なんかもうホントどうでもよくなってきた。



周りの友達が「俺。弁護士目指してるんだ。」とか「俺、医者になりたいしやっぱ頑張らないとねー。」とか「公認会計士目指すからここの大学だよな。」とか「病気の研究したいから薬学で色々学びたい」とか








みんな夢持ってるんだよねー・・・
俺は?
俺はなに?

夢も無いのに大学に行こうとしてる俺はなに!?
夢が無いから何処の大学でもいいやーとか思ってる俺にいってもいい大学なんてあるんでしょうか。
夢が無いなら大学で探せばいいと言う人もいますけど、この3年間で見つかりもしなかった自分がいまさら見つかるのですか。
夢が無くても大学に行けという人もいますけど、夢が無いのに大学に言って何を為すんですか。
大学は遊ぶ所、そんな考えで大学に行って本当に意味があるんですか。
高卒と大卒で給料が違うっていうけど、結局は金なんですか。
金のために大学に行く。
夢を探せといった人も結局はそこにたどり着く。
つまんない。
親身になって質問を聞いてくれていた人が最終的に出した答えは金。
君の将来のためって言えば聞こえがいいけど、ね。
実際に金が大切なのはわかるけど。












夢ならあったさ。
小さい頃からの小さい夢。
別に本心じゃなかったかもしれない。
本気でそうなりたかったわけでもない。
でも、夢は夢だったのに。


潰したのは、アナタたちだった

「『そんなモノ』よりね、公務員のほうが給料も年金も安定してるのよ?」
「将来のアナタを思ってるんじゃない!」
「アナタが『そんなモノ』になりたいなら別に母さんも父さんも何も言わない、でも父さんも母さんも何もしない。」
「『そんなモノ』の何処がいいの?給料だって安そうだし…就職先なんてわからないわよっ!」
「『そんなモノ』になりたいなら大学を出てから自分で勉強しなさい。まずは大学。人生は長いのよ。」
「アナタは頭がいいんだから、おじいちゃんもおばあちゃんも『そんなモノ』になってほしくないのよ。」


わからない。
わからない。
わからない。わからない。わからない!


「僕の夢は間違ってるの?」
「アナタの夢は間違ってるの。やめなさい。」


アナタは僕に夢は叶えるものだと教えてくれた。
僕の夢のためなら頑張ると支えてくれた。
なのに
なのに。
アナタは僕の小さな夢を踏み潰した。
それなのに
アナタは夢を探せという。
夢を見つけて、僕に希望を持たせて、また踏み潰すの?
アナタは大学で自分の夢を見つけろという。
夢?
僕の夢?
違う。
違う。
アナタが見つけて欲しい夢は










アナタの夢だ。





アナタが思い描く夢
アナタの夢を僕に持てという。
アナタの夢は僕の夢じゃないのに
アナタはそれが理解できない。
アナタの幸せが僕の幸せじゃないのに
アナタはそれを信じて疑わない。
アナタの正義は僕の正義じゃないのに
アナタはそれを押し付けて悦に入る





もう、僕は夢を見つけられない。
もう、どうでもよくなってきた。
もう、イヤだ。
もう。



「ダメよ。アナタは大学に行ってもらうのよ。高卒なんて許さない。浪人なんて許さない。」
「アナタの夢を探すためよ。」



張り付いた笑顔。
切り取れなくなった偽善。



「アナタノユメヲサガスタメヨ。」
「アナタノユメヲサガスタメヨ。」



壊れた人形がうわごとの様に同じ言葉を耳元で繰り返し続ける。

どうして
どうすればいいの

















気づいてた
とっくに気づいてた
気づかないフリをしてただけ
気づかないフリをすることでしか逃げられなかったから
もう、これしかない























アナタのお人形に、なるしかない